萼 (がく)

Calyx

読み:カリックス

萼片、副萼、副萼片
離片萼、合片萼、萼筒、萼裂片

分類

花の作り

花弁の外側にある葉状の部分を萼という。 つぼみや子房果実などを包み、保護する働きをする。 萼の多くは緑色だが青色やピンク色など、花弁のように色鮮やかなものは昆虫などを誘う働きをしている。
萼の一枚一枚を萼片といい、萼片同士が離れているものを離片萼、合着しているものを合片萼という。 開花後すぐに落ちるものや受粉後も残るものがあり 苺や柿など果実に残っている萼は、へたとも呼ばれる。

図1 ワイルドストロベリーの萼と花弁

図1 ワイルドストロベリーの萼と花弁

果実の苺に付いている萼は、へたと呼ばれるようになる。

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ワイルドストロベリーのページ

図2 コボウズオトギリ(ヒペリカム)の萼の様子

図2 コボウズオトギリの萼
萼が一枚一枚離れているもの (離片萼)

萼が離れているものは離片萼と呼ばれる。 オトギリソウ科フウロソウ科などで見られる。 コボウズオトギリの萼は果実になった後も残る。

コボウズオトギリのページ

図3 サルビア・ガラニチカ(メドーセージ)の萼筒の様子

図3 サルビア・ガラニチカの萼筒
萼が合着しているもの (合片萼)

萼が合着しているものは合片萼と呼ばれる。基部は筒状や壺状となり先端の裂けた裂片は萼裂片と呼ばれる。 シソ科ナス科などに見られる。

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サルビア・ガラニチカのページ

図4 ナガミヒナゲシの萼の様子

図4 ナガミヒナゲシの萼
萼が開花後まもなく落ちるもの

毛の生えた萼がつぼみを包んでいるのが見える。 ナガミヒナゲシやアイスランドポピーは 開花後まもなく萼が脱落する。

ナガミヒナゲシのページ

図5 シソの萼が果実を包む様子 (紫蘇)

図5 シソの萼筒
合着した萼が果実を包み保護するもの

シソの萼筒は子房を包み受粉後にそのまま果実を包むようになる。

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シソのページ

図6 ホオズキの萼が果実を包む様子 (酸漿)

図6 ホオズキの萼
合着した萼が大きく発達して果実を包み保護するもの 

ホオズキの萼は受粉後に大きく発達し果実を包むようになる。

ホオズキのページ

図7 セイヨウタンポポの冠毛

図7 セイヨウタンポポの萼
萼が変化し冠毛となるもの

セイヨウタンポポなどキク科に見られる冠毛は萼が変化して綿毛状になっている。

セイヨウタンポポのページ

図8 やがて実になり、へたとも呼ばれるもの ロウヤガキ

図8 ロウヤガキの萼と柿のへた
やがて実になり、萼がへたと呼ばれるもの

ロウヤガキや柿などの萼は果実になるとへたとも呼ばれる。

ロウヤガキのページ

図9 ワイルドストロベリーの副萼片の様子

図9 萼と副萼片とイチゴのへた
やがて実になり、萼がへたと呼ばれるもの

ワイルドストロベリーのように萼の外側にさらに裂片がある場合は副萼片と呼ばれる。

図14 アジサイの装飾花

図14 アジサイの萼 (装飾花)
萼が花弁の一部ように見えるもの

アジサイの大きく発達した萼は装飾花と呼ばれる。 その中心には退化したおしべとめしべを持つ花がつく。

アジサイのページ