萼とは - 花の名前を調べる
カキナの萼片

萼 (がく)

Calyx

萼片、萼筒

花弁の外側にある葉状の部分を萼という。 つぼみや子房果実などを包み、保護する働きをする。 萼の多くは緑色だが青色やピンク色など、花弁のように色鮮やかなものは昆虫などを誘う働きをしている。

萼が一枚一枚離れているものは萼片と呼ばれ、合着しているものは萼筒と呼ばれる。 開花後すぐに落ちるものや結実後も残るものがあり、 苺や柿など果実に残っている萼は、へたとも呼ばれる。

カキナの離性する萼の様子 黄色の花 (撮影日:2024年5月5日)

図1 萼が一枚一枚離れているもの

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カキナの萼片は互いに離性してつく。 アブラナ科オトギリソウ科フウロソウ科などに見られる。

図3 サルビア・ガラニチカ(メドーセージ)の萼筒の様子

図2 萼が合着しているもの

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萼が合着しているものは萼筒と呼ばれる。 サルビア・ガラニチカの萼は合着して筒状となる。 シソ科ナス科などに見られる。

モモの萼筒と副萼の様子(桃) (撮影日:2022年3月17日)

図3 萼に付属体がつくもの

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萼の外側につく萼状の付属体は副萼と呼ばれる。 モモの萼筒は壺状になっている。

図4 アジサイの装飾花

図4 萼が花弁のように見えるもの

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アジサイの大きく発達した萼は特に装飾花と呼ばれる。 その中心には退化したおしべとめしべを持つ花がつく。

図5 シュウカイドウの花弁のような萼と花弁の様子 (撮影日:2021年9月9日)

図5 萼も花弁のように見えるもの

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写真上の花の上下の大きな2枚が萼、左右の小さな2枚が花弁となっている。シュウカイドウ雄花、雌花ともに萼片は2枚つく。

図6 ウキツリボクの赤い萼が下がる様子 (撮影日:2008年7月31日)

図6 萼が色鮮やかなもの

ウキツリボクの花弁は黄色の部分で大きな赤い部分が萼筒となっている。

図7 タケニグサのつぼみを包む萼の様子

図7 萼が開花後まもなく落ちるもの

ケシ科などの植物は開花するとまもなく萼が脱落する。 タケニグサの花に花弁は無く、つぼみの時は2枚の白い萼が花を包んでいる。

図8 シソの合着した萼が果実を包む様子 (紫蘇)

図8 萼が果実を包むもの

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シソの萼筒は子房を包み受粉後にそのまま果実を包むようになる。

図9 ホオズキの合着した萼が果実を包み込む様子 (酸漿)

図9 萼が果実を包み込むもの

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ホオズキの萼筒は受粉後に大きく発達して果実を包み込み、果実は外側から見えなくなる。

図10 セイヨウタンポポの冠毛

図10 萼が変化し冠毛となるもの

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セイヨウタンポポなどキク科に見られる綿毛の冠毛は 萼が変化したものとなっている。

図11 やがて萼がへたと呼ばれるもの ロウヤガキのへた (撮影日:2024年10月31日)

図11 萼が果実後も残るもの

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ロウヤガキや柿などの萼は果実後も脱落せず残る。この場合萼はへたとも呼ばれる。

図12 ワイルドストロベリーの副萼片の様子

図12 副萼が果実後も残るもの

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ワイルドストロベリーには副萼片がありこちらも果実になっても脱落せずに残る。