Spur
読み:スパー
花弁の後ろ側へまた萼の外側へ突き出た部分を距という。
中には蜜を出す蜜腺があり、袋の部分に蜜を溜め虫を呼ぶ働きをする。
距は細長い筒状で、蜜は花の入り口から遠くにあるため蜜を吸える昆虫は限られたものになる。
花は自身の受粉を助ける虫(送粉者)を呼びたいが、
花の入り口に蜜があると受粉に関わらない虫も吸い、蜜が無くなってしまう。
距を持つ植物の送粉者は主にチョウやハナバチなどの長い口吻を持つ昆虫で、
距はその昆虫のみが蜜を吸えるような仕組みとなっている。
スミレやムラサキケマン、ラークスパーなどに見られる。
(図2-1) ラークスパーの距
ラークスパーの距はとても細い。
ラークスパーの英名Larkspurはヒバリ(Lark)の蹴爪(Spur)の意味で
細く長く伸びる距を鳥の蹴爪に例えたもの。
(図4) ムラサキケマンの距
ムラサキケマンの小花は花柄の前と後ろでちょうど半分くらいの大きさとなっている。
花の入り口を足場にと、ハナバチが乗った重みでおしべとめしべが上に飛び出し
ハチに触れる仕組みとなっている。