carpel
単心皮、合生心皮、離生心皮
心皮とは元々葉にむき出しで付いていた生殖細胞を包んで保護するように進化した葉で、
1枚または複数枚が合わさってめしべとなっている。
1枚の心皮が1本のめしべとなるものを単心皮(図1)、
複数枚の心皮が合着して1本のめしべとなるものを合生心皮と言う(図3)。
また1本の心皮が合着せず複数つくものを離生心皮と言う(図5)、(図7)。
この場合心皮とめしべの数は同じになる。
1心皮、めしべ1本
モモは1枚の心皮が1本のめしべとなり、花に1本だけつく。
心皮は1枚の葉のフチを1か所で縫い留めた構造で、その基部は子房、先端は柱頭になる。
子房や柱頭などのめしべや後の果実にはこの合着したつなぎ目 (縫合線)がある(図2)。
3心皮、めしべ1本
ヒオウギの果実には合着した3本のつなぎ目があり、この部分が括れて果実は3稜となる。
つなぎ目の反対側には太い葉脈が通り、ヒオウギの果実は熟すとこの葉脈から裂ける。
5心皮めしべ5本(上)、3心皮めしべ3本(下)
ミツバアケビは1枚の心皮が1本のめしべとなり、1つの花に3~9本ほどつく。
心皮は合着せずそれぞれが果実となる(図6)。
このように複数ある心皮が離生しているものを離生心皮という。