フユノハナワラビ (冬花蕨)

Botrychium ternatum
(Sceptridium ternatum)

読み:ボトリキウム・テルナツム
(セプトリジウム・テルナツム)

トコワラビ(床蕨)、カンワラビ(寒蕨)
コモンネーム:Grapefern (グレープファーン)
(ハナワラビ属の総称)

分類

落葉多年草

科属

ハナヤスリ科 / ハナワラビ属

花期

花は咲かない

用途

鉢植え 地植え

環境

半日陰~明るい日陰

繁殖

胞子まき 株分け

夏季落葉性の多年草で、夏に休眠する冬緑性のシダ植物。 日当たりの良い明るい山地で見られ、水はけと風通しの良い環境を好む。 秋から冬に胞子葉を広げ分枝した茎先に多数の球形の胞子嚢をつける。 山菜のワラビに似て、またこの胞子葉を広げる姿が花のようであるため冬花蕨と呼ばれる。 ワラビはコバノイシカグマ科でフユノハナワラビとは別のものだが フユノハナワラビも食用ともされる。

フユノハナワラビ(冬花蕨)(1-1) 胞子体の様子(撮影日:2021年10月15日)

2021/10/15 …(1-1) (秋・半日陰・地植え)
胞子体の様子

上に伸びる胞子嚢を多数つけた胞子葉と下に広がる緑の栄養葉が見える。 他のシダ植物と同じように花や種子は作らず、胞子体(造胞体)で胞子を播き、そこから発芽した配偶体(前葉体)で有性生殖をして新たな胞子体を作る。

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フユノハナワラビ(冬花蕨)(1-2) 胞子葉の様子(撮影日:2021年10月15日)

2021/10/15 …(1-2) (秋・半日陰・地植え)
胞子葉の様子

胞子葉は胞子を作る葉で秋ごろから胞子葉を広げ、そのままの姿で越冬し夏ごろ地上部は枯れ休眠する。 冬に床の間を飾るワラビとしてトコワラビとも呼ばれる。

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フユノハナワラビ(冬花蕨)(1-3) 栄養葉の様子(撮影日:2021年10月15日)

2021/10/15 …(1-3) (秋・半日陰・地植え)
栄養葉の様子

栄養葉は胞子を作らない葉で夏の終わりごろから新芽を出して成長し光合成を行う。 3~4回羽状複葉でフチには細かい鋸歯がある。

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フユノハナワラビ(冬花蕨)(1-4) 胞子嚢の様子(撮影日:2021年10月15日)

2021/10/15 …(1-4) (秋・半日陰・地植え)

茎先に多数の球形の胞子嚢がついているのが見える。この中には無数の胞子が入っている。 ハナワラビ属のこの姿をブドウに例え海外ではGrapefern(ブドウシダ)と呼ばれる。 胞子まきと主に株分けで増やせる。

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